こんなに多い!猫のしっぽの種類としっぽで分かる猫の気持ち

猫雑学

猫のしっぽには様々な種類があることをご存知でしょうか?
今回は、猫のしっぽの種類や地域による違い、そしてしっぽの動きから分かる猫の気持ちをご紹介します!

猫のしっぽの種類とその特徴

①フルテイル(長尾)

フルテイルは、猫の体長とほぼ同じくらいの長さ、約25~30㎝ほどの真っ直ぐに伸びたしっぽのことで、日本では「長尾」とも呼ばれる、もっとも一般的なタイプです。

京都や福井には、この長いしっぽの猫が特に多いのだとか。
それはなぜかというと、もともと日本にはしっぽの短い猫が多かったそうです。
しかし中国では、まっすぐで長いしっぽが良いとされていて、都があった京都に、中国からしっぽの長い猫が渡ってきたためと言われています。
そして、鯖街道で京都と繋がっている福井にも、しっぽの長い猫が増えたと考えられています。

ちなみに、しっぽは猫にとってバランスを取るためのものでもあり、長いと運動神経がよくネズミ捕りが上手です。

②キンクドテイル(かぎ尾)

キンクドテイルとは、しっぽの先がねじれているタイプで、日本では「かぎしっぽ」や「尾曲がり猫」とも呼ばれます。
その形は、途中で曲がっていたり、クルっと丸まっていたりと千差万別の曲がり方です。

なぜしっぽが曲がるかというと、「半椎骨」と呼ばれる、通常とは形の違う骨になっていて、円柱状に近い形ではなく、角が無かったり三角に近い形などをしています。

そのため、しっぽが曲がるのです。
ちなみに飼い猫のかぎしっぽ率は全国平均41.7%となっており、比較的多いしっぽの形になります。

もともとしっぽの短い猫は東南アジアに多く、日本では長崎県に特に多いことが分かっています。
長崎県では7~8割がこのかぎしっぽ猫だとか。
その理由は、鎖国中の江戸時代、日本で唯一海外と貿易をしていた長崎に、東南アジアの猫が多く入ってきたためではないかと言われています。

さらに、このかぎしっぽは、蔵の「錠前」のような形をしているので、昔の日本では財産を守る繁栄のお守りとされ、大事にされてきました。
また、ヨーロッパでは曲がった先端に「幸運をひっかけてくれる」縁起の良い猫だとされ、かぎしっぽの猫がとても珍しいこともあって、見かけるだけでもラッキーだと言われています。

もしあなたがどこかでかぎしっぽの猫を見かけたら、それは幸運の兆しかもしれませんね。

③コークスクリューテイル(巻尾)

コークスクリューテイルは、しっぽがブタのしっぽのようにカールしていて、スクリューのようにくるくると巻かれているのが特徴です。
ピギー(子豚)テイルと呼ばれることもあるそうですよ。
短いと、お団子しっぽという呼び方もします。

④ボブテイル(短尾)

ボブテイルとは、一般的な長いしっぽの「フルテイル」とは対照的に、6~7㎝ほどの短いタイプのしっぽを指します。
事故や奇形で短くなったわけではなく、遺伝的に短いしっぽを持っています。

ジャパニーズボブテイルやアメリカンボブテイルなど、血統付きの猫種の名前にも使われることがありますね。

しっぽの曲がった猫と同じく、昔の日本ではしっぽが短い種類が好まれる傾向にあったようです。

⑤ランピーマンクス(無尾)

マンクスという猫種は、極端にしっぽが短いことで知られていますが、その中でもほぼ完全にしっぽがない状態の子をランピーと呼びます。
「無尾」と呼ばれることもありますね。
この品種の遺伝によりこのような形状になるそうです。

日本でしっぽが短い猫が好まれた理由

江戸時代には特にしっぽの短い猫が多かったようです。
それは当時の人たちが、しっぽの短い猫やかぎしっぽの猫を繁殖させたからだと伝えられています。
なんと江戸時代の絵画に描かれた猫243頭のうち、約半数に近い122頭がかぎしっぽだったそうですよ。
こうしたかぎしっぽ猫のブームには、どうやらある伝説が関係しているようです。

それは、当時しっぽの長い猫は、歳を重ねると「猫又」という妖怪になってしまうという伝説から恐れられていました。
猫又とは人の言葉を理解し、2本足で立つ化け猫です。
しっぽが二つに割れ、人を食い殺すとまで言われていました。
このような理由から、猫又にならない短いしっぽの猫を縁起の良い猫として、意識的に繁殖させていたということです。
長崎からもしっぽの短い猫を売るための商人が来たともいわれています。

とはいえ、この猫又の都市伝説も時代と共に風化していき、明治から大正に変わる頃にはしっぽの短い種類を好む傾向も薄れて言ったそうです。

しっぽの動きで分かる猫の気持ち

ご存知の通り、猫はそのときどきの感情をしっぽで表現しています。
どんなしっぽの動きがどんな気持ちなのか、ご紹介しましょう。
しっぽの短い猫ちゃんの場合はわかりにくいかもしれませんが、ぜひ参考にしてみてください。

①しっぽをピンと立てる

しっぽを真上にピーンと立てるのは好意の表れです。
仲の良い猫に友好を示すときや、人に対して甘えたい気持ちのときに見られます。
これはもともと、子猫が母猫にお尻を舐めてもらうときのポーズでもあるのです。
それが、好意や甘えを感じる相手の前で行うポーズになったのですね。
ちなみに、ごはんや遊びなどを要求する時にもピンと立てた状態で擦り寄ってきますよ。

いずれにせよ、愛猫がしっぽをピーンと立てて近寄ってきたら、あなたのことを母猫のように思っているサインです。
子猫のようにたくさん甘えさせてあげましょう。

②しっぽの付け根をぷるぷる震わせる

しっぽの付け根を左右にぷるぷると震わせているときは、喜んでいることを意味しています。
おいしいごちそうをもらうときや、飼い主が帰宅したときなどは自然にしっぽが震えていませんか?
これはまさに喜びの表れです。

③しっぽの毛が逆立ち太くなる

たぬきのしっぽのようにボワッと膨らむのは、怖いときや驚いたときに出るサインです。
反射的に毛が逆立ち膨らんでいるのですね。

他の猫にけんかをしかけられたときや、相手を威嚇するときにもこのようなしっぽに変化します。
しっぽだけでなく体中の毛を逆立てることで、自分の体を大きく見せようとしているのでしょう。
少しでも大きく見せることで、相手よりも優位に立ちたいという思惑があるのです。

相手を攻撃しようと威嚇しているか、怖さを隠すために怒ったふりをして、相手を退散させようとしていると考えられます。

④しっぽをお腹の下に巻き込む

しっぽを股の間で挟むようにして体の下に巻き込むときは、恐怖や警戒といった感情を表しています。
強い猫に出会ったときや、病院に行ったとき、雷がゴロゴロ鳴っておびえているときによく見せるのではないでしょうか。
多くの場合、後ろ足を曲げて体も低くしています。
これは、敵わないと感じた相手に対して自分を小さく見せることで、「もう攻撃しないで」と言っているのです。
「逃げたい」「自分の気配を消したい」と感じている場合もあります。

⑤しっぽをゆらゆら動かす

猫は何か気になるものがあるときは、座りながらしっぽをゆらゆら動かします。
気になるものがあって観察しているけど、行動に移すほどではなく、「次はどうしようかな」という気持ちの揺れがしっぽに表れているのです。

また、猫の名前を呼んだときに、その場から動かずにしっぽだけパタリと動かすことがありますが、この場合は、「聞こえてるよ」という返事代わりです。
動くのはめんどくさいけど、返事だけはしておこうという気持ちなのですね。

⑥しっぽをだらんと垂らしている

しっぽを斜めにだらんと垂らすのは、身構えているときです。
リラックスしているようにも見えますが、実はいつでも走って逃げられるような状態で、しっぽには力が入っています。

⑦しっぽが水平になっている

地面に対してしっぽが水平になっているときはリラックスしています。
これは、猫にとっては最も自然な状態であり、緊張や興奮、恐怖や不安も感じておらず、くつろいでいる状態ですね。

⑧しっぽを左右にブンブン振る

猫がしっぽを左右にブンブン振るのは、イライラしているときです。
犬は喜んでいるときにしっぽをブンブン振りますが、猫の場合は正反対の意味なんですね。

猫の体をずっとしつこくなで続けたり、乱暴に抱き上げたりしたときに、このしぐさを見せることがあります。
これは、嫌がっているサインですから、すぐに止めてあげましょう。
あまりしつこくすると、次は猫パンチが飛んできますよ。

まとめ・・・動画で観る

猫にとっては必要不可欠な「しっぽ」。
バランスを取ったり、暖を取ったり、そして仲間や人とのコミュニケーションにも役立つ大切な体のパーツです。
しっぽに表れる猫の感情に寄り添って暮らしていきたいですね。

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