白・黒・茶色の三色の毛色を持つ三毛猫は、日本では昔から広く親しまれており、海外にもファンが多い猫です。
今回は、そんな三毛猫の魅力や豆知識についてご紹介しましょう。
三毛猫の真実 10選
①色や柄に様々なパターンがある
一般的に白・黒・茶色の3色のまだら模様が、はっきりと全身にある猫を三毛猫と言います。
ちなみにここでいう三毛猫の毛色の茶色とは、オレンジ色に近い明るい茶色で、茶トラ猫の茶色のことです。
専門的には「赤」とも言いますね。
そしてこの三毛猫、色味や模様のつき方によって呼び方も細かく分けられます。
まず、「キジ三毛」です。
三毛猫よりも薄い色合いで、白・こげ茶・茶色の配色です。
顔の周りに、縞柄の猫の特徴である「M」の模様が入っています。
そして「縞三毛」は、黒と茶色の部分が縞模様になっている三毛猫です。
黒と茶色の両方が縞模様か、どちらかに部分的に縞模様がはいります。
こちらも顔の周りに、縞柄の猫の特徴である「M」の模様が入っています。
「トビ三毛」は、白い部分が多く、黒と茶色が飛び飛びに入っている柄の三毛猫です。
「白三毛」とも呼びます。
逆に、黒い毛の割合が多い三毛猫は、「黒三毛」といいます。
それから「パステル三毛」は、三毛猫に毛色を薄くする遺伝子が入っていて、白・グレー・ベージュの優しい色合いです。
②海外では珍しい
日本で三毛猫は珍しくありませんが、海外では比較的珍しいそうです。
特に、古くから日本に存在しアメリカで繁殖したことで一躍有名となった、ポンポンのように丸まったしっぽが特徴のジャパニーズボブテイルは、もともと短毛の三毛のみだったそうで、北欧では「MIKE」と呼ばれ、愛されています。
また、海外には三毛猫の色々な呼び名があり、英語では「キャリコ(Calico)」「トーティ・アンド・ホワイト(tortie and white)」、フランス語では「トリコロール(tricolore)」や「トライカラー(tricolor)」と呼ばれることもあります。
③起源はエジプトだった
三毛猫と言えば日本猫のイメージがありますが、遠くさかのぼるとおそらくエジプトに起源を持っているそうです。
そもそも現在の飼い猫の起源は、エジプトのイエネコと言われています。
ネズミをはじめとした害獣を駆除してくれる存在として、特に農家で重宝されていました。
突然変異や交配を繰り返し、次第にさまざまな品種や毛色・柄の猫が誕生したのです。
三毛猫も何千年も前から存在していると考えられ、確実ではありませんが、エジプトで茶色(オレンジ色)の毛色の猫が現れ、これが発展した可能性が高いとされています。
これらの猫はおそらく商船に乗せられ、ヨーロッパや地中海の港町に連れて行かれ、三毛の遺伝子を広めたのでしょう。
三毛猫は何百年も前から国内外の多くの絵画や芸術作品に登場しており、そのルーツを遠くまでさかのぼることができます。
④ほとんどがメス
ご存知の方も多いでしょうが、三毛猫はほとんどがメスとして生まれます。
それは、性別を決める2本の染色体がXXだとメスが生まれ、XYだとオスが生まれるのですが、猫の毛色を決めるのはX染色体だからです。
つまり、黒と茶の2色を同時に持つためには、毛色を決めるX染色体が2つ必要になります。
そのため、X染色体が1本しかないオスは黒か茶色の1色しか発現しないというわけです。
ちなみに白色の毛色の遺伝子はオスメスともに最初から持っているので、白い毛色が発現することで、メスは白黒茶の3色、オスは白黒または白茶の2色になるのです。
⑤オスは希少価値が高い
ごく稀に、染色体XXYを持つオス猫が生まれ、三毛猫になることもあります。
これはクラインフェルター症候群といわれる染色体異常で、確率は3万分の1といわれています。
よって、三毛猫のオスはとても珍しい存在です。
ですが、この場合生殖機能を持たないことが多いため、オスではないという考え方もあります。
三毛猫のオスは、ほとんどの場合繁殖できず、繁殖できる可能性があるのはオスの三毛猫1万匹のうち1匹いるかいないかだそうです。
三毛猫が父親になることはさらに希少ということなのですね。
⑥特定の品種で見かけることもある
三毛猫は猫の品種ではなく、猫の毛色のことです。
日本で三毛猫は、血統猫よりも雑種猫で見かけることの方が多いでしょう。
それは、オスの三毛猫が生殖能力を持たないため、三毛の毛柄を人為的に産ませることが大変難しいことも関係しているようです。
しかし、以下の猫種は、比較的三毛猫が生まれやすいと言われます。
・エキゾチックショートヘア
・マンチカン
・スコティッシュフォールド
・ノルウェージャン・フォレスト・キャット
・メインクーン
・ペルシャ
などです。
ただし、前述のように、三毛猫を人為的に産ませることは非常に難しいため、これらの品種で必ず三毛猫を見つけられるわけではありません。
⑦幸運をもたらす
三毛猫は、「幸運を呼ぶ猫」としても知られています。
まず、三毛猫の3色のカラーのうち、白は「浄化」、黒は「厄除け」、茶は「繁栄」を意味すると言われています。
そして、「三」という数字は、その読みが「みつ」であることから、「満つ(みつ)」や「充つ(みつ)」と意味を重ね合わせて、満たされる、思いや願いが叶う、充足感などを象徴し、縁起が良いとされています。
さらには、「幸運を招き寄せる猫」として親しまれている招き猫のモデルは、三毛猫と言われています。
これは、三毛猫は賢く体が強いと考えられていることから、幸運の証と言われるようになり、商家では商売繁盛を願って三毛猫を特に大切にするようになったことが由来と伝えられています。
このような理由から、三毛猫は日本で古くから愛されてきたのですね。
中でもオスの三毛猫はその希少性から「幸運のシンボル」として崇められており、船乗りの間で「オスの三毛猫を船に乗せると福を呼び遭難しない」という言い伝えがありました。
安全や大漁を運んできてくれると信じられ、江戸時代では、守り神として航海の船に乗せられていたそうです。
⑧南極へ行った三毛猫がいる
実は、日本の第一次南極観測隊に同行し、隊員たちと越冬した三毛猫がいます。
南極観測船として有名な「宗谷(そうや)」にもオスの三毛猫が乗っていたのです。
縁起が良いからという理由で、民間人から贈られたこのオスの三毛猫は、当時の観測隊の隊長であった永田武の名前にちなんでタケシと名付けられ、昭和基地内のペットとして隊員達と共に南極で越冬したのだとか。
しかしタケシは南極から日本に戻った後、隊員の一人に引き取られたものの、間もなく隊員の家から脱走して行方不明となってしまったそうです。
なお、1991年に「環境保護に関する南極条約議定書」が採択されて以来、動物の南極への渡航は一切禁止されています。
⑨働く三毛猫がいる
働く猫として有名な三毛猫もいます。
その中で最も有名なのは、和歌山電鉄貴志川線の貴志駅の駅長であった、「たま駅長」ではないでしょうか。
貴志駅の駅長に昇進した「たま」の給与は、1年分のキャットフード、特注の駅長帽子、金色の名札でした。
そして、駅の乗客を出迎える役割をはたし、利用者の減少により存続自体が危ぶまれた貴志川線に、多くの観光客を呼び込み、閉鎖寸前だった駅を救いました。
まさに招き猫ですね。
残念ながら2015年に亡くなってしまいましたが、現在は「たま」に似た2代目駅長の「ニタマ」がその役割を継いでいます。
アメリカにも働く三毛猫がいます。
「スイートタルト」は、2018年にミシガン州の小さな町の市長に選出されました。
ミシガン州のオメナで、市議会の役職の選挙が行われ、三毛猫のスイートタルトは、猫2匹、クジャク1羽、犬13匹、ヤギ1匹の総勢17匹の立候補動物の中から、町の市長に選ばれ、市議会の一員となったのです。
ちなみに2位に選ばれた犬が副市長になりました。
スイートタルトは記者会見やミーティングなどを行い、市の経済にも貢献したそうです。
⑩猫らしい性格が魅力
もちろん個体差はありますが、三毛猫は「猫の中の猫」と言われるほど、猫らしい性格をしていると言われます。
知的さと気ままな性格が特徴の猫で、プライドが高くクールでマイペースなところがあるのだとか。
また、三毛猫はメスが多いため、母性が強くしっかりしている子が多いとされています。
賢く、環境変化に柔軟に適応し、人との適度な距離感を保ちながら、甘えたい時はすり寄ってくるというツンデレな性格が魅力です。
まとめ・・・動画で観る
仕事をしたり福を呼び込んだりと、頭が良くて魅力的な三毛猫たちを、動画でご覧ください!
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