猫の中には好奇心旺盛でやんちゃな性格の子もいれば、臆病で小心者といった、ビビりな性格の子もいます。
そして、猫の毛色と性格は、何かしらの関係があるという説があります。
今回は、ビビりな性格の猫はどんな行動を見せ、どの毛色の猫に多いのか、ご紹介します。
ビビりな猫が見せる行動とは
まず、ビビりな猫とは、どんな猫のことでしょうか?
ビビりな猫は、見慣れないものや人、動物を見たとき、また聞きなれない大きな音がしたとき、次のような行動を見せます。
①ちょっとしたことで飛び上がって驚く
猫がちょっとした物音や、少しカーテンが揺れただけで、大げさなほど飛び上がって驚くのを見たことはありませんか?
「そんなに驚かなくても」と思ってしまいますが、それだけ周囲に警戒しているということなのですね。
②耳を伏せて歯をむき出し威嚇する
猫がシャーッとかウーとかの威嚇をする場合、攻撃の意味だけでなく、恐怖心の表れとも考えられます。
怒りっぽいのではなく、ビビっているのかもしれませんね。
③隠れて出てこない
ビビりな猫は恐怖を感じて不安なことがあったとき、隠れて出てこなくなることがあります。
来客があったらどこかに消えて姿を見せなくなる、大きな音に驚いてずっと物陰にいる、なんてことも。
④走り回って逃げる
隠れる場所がないときは、走り回って逃げることもあります。
また、隠れても不安になって移動し続ける、ということも。
⑤小さくなりじっとして動かない
恐怖や不安などで、体をこわばらせて動けなくなってしまうこともあるようです。
そんなときは、耳は後ろに向き力が入っている状態になっています。
いわゆるイカ耳ですね。
隅っこに行ってしまい、じっとして動かないこともあるでしょう。
毛色で見るビビりな猫5選
①グレー猫
猫のグレーの毛色は、専門的には「ブルー」とも呼ばれます。
この色は、黒猫の毛色に、毛色を淡くする性質を持つ、ダイリュート遺伝子という遺伝子が作用し、ブラックからグレーへと変化しているのです。
そのため、性格は黒猫に近いものがあり、穏やかでおっとりしている傾向にあるのですが、一方で、黒猫よりも警戒心が強く、繊細な一面も持ち合わせています。
ナーバスなところがあり、慣れないものには怖がることもしばしばあるでしょう。
ただし、純血種のグレー猫であれば、人と生活しやすいように改良されてきたため、人慣れしやすく、人見知りはするものの、飼い主さんには甘えん坊という子も多いようです。
グレーベースに白い毛色が部分的にある子の性格も、グレー猫寄りです。
知的で落ち着きがあり、穏やかですが、繊細で怖がりな一面も持ち合わせています。
グレーと白が半々の場合だと、白黒猫のように人や他の動物にもフレンドリーで温厚であるものの、そこにグレー猫の神経質な面が少しだけ加わるようです。
②白猫
白猫がビビりになりやすいのには、いくつか理由があります。
一つは、白は外でとても目立つ色なので、白い野良猫の場合、敵に襲われやすいというリスクがあります。
そのせいか、白猫は自分の身を守るために警戒心が強くなり、注意深く神経質、繊細な性格の猫が多いのだとか。
実験により、白い猫は騒音に対しての恐怖心が強い、という結果もあるそうです。
また、その警戒心の強さは気の強さとして表れる場合もあり、攻撃的な一面を見せることもあります。
それから、白猫の中でもアルビノの猫は、色素が欠乏しているので日光に弱く、暗い時間にだけ行動することが多いので、特に臆病でビビりになりやすいようです。
また、白猫によく見られる、左右の目の色が違うオッドアイの場合は、難聴の子が比較的多く、そういった意味でも慎重な性格があらわれやすいと考えられます。
ただし、性格には個体差もありますし、家の中にいる飼い猫であればそれほど心配する必要はないでしょう。
実際に白猫を飼っている飼い主さんたちは、その性格について、甘えん坊でマイペースと感じる方が多いと言われます。
とはいえ、飼い猫でも人見知りが強く、知らない人には懐きにくい傾向が見られるそうです。
③サバトラ猫
サバトラ猫とは、シルバーの毛色に黒いしま模様のトラ柄を持つ猫のことですね。
サバトラ猫の性格タイプは、大きく2つに分かれると言われます。
ですので、フレンドリーで人懐っこいタイプのサバトラ猫もいるのですが、警戒心が強くビビりなタイプも存在します。
その理由として、日本にいるサバトラ猫は、近代以降、欧米から入ってきた洋猫との交配で増えたためという説があります。
つまり、サバトラの性格に差があるのは、もともと日本にいた猫に近い性格なのか、洋猫に近い性格なのかによるようです。
もともと日本にいた猫である、こげ茶色のトラ柄を持つキジトラ猫に近い性格になると、厳しい野生環境を生き抜き、自分の身を自分で守ってきたために警戒心が強い傾向にあります。
そして、サバトラに似た毛色を持つアメリカンショートヘアなどの洋猫に近い性格になると、人間に守ってもらうためにフレンドリーで人懐っこくなったということです。
ビビりな方のサバトラは、野性の血を残すキジトラよりはやや穏やかですが、キジトラより目立つ毛色をしていることもあり、神経質で繊細です。
また、環境変化に弱く、人見知りをしやすいですが、信頼した飼い主には忠実という一面もあります。
④麦わら猫
麦わら猫とは、こげ茶色のキジトラ柄と、赤茶色の茶トラ柄をパッチワークのように混ぜ合わせた柄の猫のことです。
この麦わら猫は、野生的と言われるキジトラの毛色も持つため、警戒心が強い傾向があります。
そして、それは臆病で慎重な性格にもつながっているようです。
また、麦わら猫は猫の中でも気が強いと言われます。
警戒心の強さと気の強さにより、他の猫などにウー、シャーと唸ることもあるのだとか。
これらのことから、初めての人や物に対して慎重で、臆病な態度を示すことがあるので、慣れるまで時間がかかるかもしれませんね。
特に生活環境が変わったときには慎重で臆病な性格が表れやすいので、ゆっくりと新しい環境に慣れることができるように配慮してあげるとよいでしょう。
もちろん、麦わら猫の中にも、育った環境によっては、家族以外の人や動物にフレンドリーで社交的な子もいるようですよ。
⑤キジ白猫
キジ白猫とはその名の通り、キジトラ模様に、一部白い毛がある猫のことです。
脚だけが白い白ソックスや、お腹側だけが白い子、背中の方まで白い部分があり一部だけキジ柄の子など、あらゆるパターンがあります。
このキジ白猫の性格は、基本的には警戒心が強い傾向です。
どんなことにも慎重で用心深いため、飼い始めはあまり懐かない印象が強いかもしれません。
それは、野生のままのキジトラ模様が、性格にも影響しているのでしょう。
キジトラ模様は、野生の中で身をひそめるためのカモフラージュにもなる模様なのです。
そのため、知らない人が近づいてきたら一目散に逃げるほど、警戒心の強い子もいて、怖がらせてしまうと少し攻撃的になってしまうことも。
簡単に懐くことはなく、慣れるまで慎重によく観察しています。
飼い始めは、なかなかケージから出てきてくれなかったり、すぐに隠れてしまうかもしれませんね。
ただし、キジ白は白い毛がある分、完全なキジトラよりもおっとりとしたところも見られるようです。
最初は他人がいると隠れてしまうほど警戒心が強くても、飼い主と二人きりになるとすり寄って甘えてきたりします。
また、警戒心が強いにも関わらず好奇心も強いため、飼い主が何かをしていると近づいてきて確認するような仕草をするのだとか。
つまり、慣れてくるまでは警戒心が強いですが、慣れれば心を開くような性格です。
そして、飼い主とのスキンシップも大切にしていて、かまって欲しい時間帯には、自分で飼い主の膝の上に乗ってきて甘えます。
まとめ・・・動画で観る
ビビりな猫って、懐くのに時間がかかったり、新しい物や環境に慣れるまでに、隠れ場所を作ってあげるなどのケアが必要だったりします。
しかしそんな猫が自分だけに甘えてくれるのは、至福の時間になることでしょう。
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