猫の瞳って、ビー玉みたいで美しいですよね。
バリエーション豊かな猫の目の色には、それぞれどんな特徴があるのでしょうか?
そして猫の毛色とは、どのような関係があるのでしょうか?
1.猫の目の色の決まり方
猫の目の色は、メラニン色素の量で決まります。
つまりメラニン色素が多いか少ないかで、様々なバリエーションの猫の目の色が生まれているのです。
しかし、子猫の時だけは、みんな同じ目の色をしています。
猫の目は生後1週間ほどで開くようになりますが、まだ見えてはいません。
この時点で子猫たちはみんな、種類に関わらず、「キトンブルー」と呼ばれる灰色っぽい青い目の色をしているのです。
生後2週間頃から目が見えるようになり、さらに2~3ヶ月後になると、両親から受け継いだそれぞれの目の色へと変化していきます。
ちなみに猫の生後2~3ヶ月は、人間の年齢でいうと3歳ほどです。
2.一般的な猫の目の色5種
①日本猫に多い「カッパー」
銅色とも呼ばれる「カッパー」は、メラニン色素が一番多い場合に現れる色です。
茶色っぽい色から赤みがかった色まであり、日本猫に多く見られます。
温暖な地域の猫は日光を多く浴びるため、メラニン色素が増え、このような目の色を持つようになったと考えられています。
②猫の目の色の定番「アンバー」
「アンバー」とは琥珀色のことです。
イエローやゴールドと呼ばれることもあります。
メラニン色素は少し多めで、レモンイエローのように見える淡い色からゴールドに近い色まで、バリエーションがあります。
③不思議な色「ヘーゼル」
「ヘーゼル」は目の外側が薄いブラウンやイエローで、内側がグリーンといった2色のグラデーションカラーです。
色の出方には個体差があり、光の加減によってはブラウンが強調されてカッパーのように見えることも。
日本猫と洋猫のミックスに比較的多く見られます。
④寒い地域に多い「グリーン」
「グリーン」の目の色は、純粋な日本猫ではほとんど見かけない色です。
メラニン色素が非常に薄い場合に現れるため、日照時間が短い北国原産の猫に多く見られます。
実際には透明に近いのですが、わずかな色素が「レイリー散乱」と呼ばれる光の拡散によって緑色に見えています。
空が青く見える現象と同じことが、猫の目の色でも起こっているのですね。
⑤澄みきった「ブルー」
吸い込まれるような「ブルー」の瞳は、高貴さや神秘的な雰囲気が漂っています。
「ブルー」といっても淡い「アクア」や、中間の「ブルー」、濃い「サファイア」といったパターンがあり、それぞれ異なる魅力を持っています。
また、ほぼメラニン色素を持たないため、寒い気候のヨーロッパ原産の猫に多いです。
そして「グリーン」と同じく、目に青い色素が存在しているのではなく、「レイリー散乱」という光の拡散によって青色に見えています。
3.ちょっと珍しい目の色
①神秘的な「オッドアイ」
左右で色が異なる目を「オッドアイ」と呼びます。
その美しさや珍しさから幸運を運ぶ猫として人気が高く、日本では「金目銀目」と呼ばれ、縁起が良いとして珍重されてきました。
正式には「虹彩異色症」といい、先天的な遺伝子の異常とみなされています。
オッドアイの猫は、全身真っ白な被毛を持っていることが多く、片方の目はブルーに、もう片方の目はアンバーやカッパーになります。
ブルーの目側だけメラニン色素が少ないため、ブルーの目側の耳に先天的な聴覚異常が出ることがあります。
また、左右の目の色が違うだけでなく、1つの目に2つの色が混じり合う「ダイクロイックアイ」も、オッドアイの一つとして数えられ、かなり希少な目の色となっています。
②ウサギのような「レッド」
ウサギのような赤い目は「アルビノ種」と呼ばれ、「先天性色素欠乏症」と言われる症状です。
メラニン色素が全く作られず、血管の色がそのまま透けて見えるので赤目になります。
白いウサギが赤い目を持つように、猫の場合も白毛のみに出現するようですね。
皮膚の色もピンクがかった白で、紫外線に弱いため、室内飼いでも注意が必要です。
4.猫の目の色と毛色の関係
①黄色い目の黒猫
黒猫は濃い色素を持つため、目の色もイエローやゴールドに近い「アンバー」や、ゴールドがかった「カッパー」のように、濃いメラニン色素によるカラーが多いです。
黒い毛色に黄色い目の色が浮かび上がり、そのミステリアスさもまた魅力的ですね。
「これぞ猫!」といった感じの瞳です。
②緑色の目の灰色猫
灰色(ブルー)の被毛を持つ猫は、グリーンの目を持つことが多いです。
特に、灰色の毛色が美しい「ロシアンブルー」は、グリーンの目のみが認められる猫種です。
グリーンはブルーに次いでメラニン色素が薄く、寒い地域の猫に多いとされるカラーですので、ロシア出身であるロシアンブルーの目もグリーンなんですね。
③青い目のポインテッド猫
シャム猫に代表される、顔や耳の先・手足の先といったように、ある一定部分の被毛だけに色素を持つ毛色を「ポインテッド」と呼びます。
ポインテッドは遺伝子の関係で、体温が低いところで色素が作られ、体温が高いところでは色素が作られません。
そのため、体温の高い目は色素が作られずほとんど透明になることから、光の作用によりブルーの目に見えるのです。
グラデーションがかった美しい毛色とサファイアのように輝く瞳が相まって、高貴な雰囲気が漂っていると思いませんか?
猫の美しい瞳の色を動画で観る
バリエーション豊かな猫の瞳の色、神秘的で素晴らしいので、ぜひ動画でご覧ください。
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