ご存知でしたか?
座っている猫の姿勢で猫の気持ちが分かってしまうって。
今回は、猫の基本の座り方や個性的な座り方、そしてその時の気持ちやリラックス度などをご紹介します。
座り方で分かる猫の気持ち
猫の座り方は、感情やリラックス度合いによって、ある程度パターンがあります。
上半身は起こしているか、前脚は伸ばしているか、後ろ脚はどうなっているかなど、いくつかのポイントを見ることで、リラックスしているのか、いつでも動ける体勢なのかが分かり、そのときの猫の気持ちが想像できるのです。
とはいえ、猫によってもリラックスできる体勢はそれぞれ違い、お気に入りの座り方や楽なポーズはそれぞれですので、あなたの猫の座り方も観察してみましょう。
いつもと違う座り方をしている時は病気の可能性もありますので、普段から愛猫の座り方を観察しておくといいですね。
①エジプト座り
「エジプト座り」は、前脚2本をそろえて立てたまま、後ろ脚を曲げて腰を下ろした座り方で、いわゆる犬のお座りのような姿勢ですね。
エジプト神話に登場する「バステト」という猫の姿をした女神に似ていることからそう呼ばれていますが、なぜ「バステト座り」でないのかは明らかになっていません。
この姿勢は、座っていてもすぐに行動に移せるので、警戒心の強い野良猫によく見られます。
危険や異変を察知したらすぐに動ける状態というわけですね。
ただし、人慣れしている飼い猫がこの座り方をする場合は、警戒心からこの座り方をしているわけではないこともよくあります。
何かを要求しているときや、気になる物を見つけたときなどになんとなくエジプト座りをしていることも多いでしょう。
普段から「ごはんちょうだい」や「早く遊んで」など、さも物を言いたげに首を傾げ、エジプト座りで主張してくることもあるのではないでしょうか。
つまり、この
【エジプト座りをしているときの気持ち】は、
・少し緊張・警戒している
・次の行動のことを考えている
・何かを要求している
などが考えられます。
②しっぽ巻き座り
エジプト座りの姿勢のまま、しっぽを体に巻きつけた状態が「しっぽ巻き座り」です。
お尻から足の先を囲むようにぴったりと巻きつけられたしっぽは、緊張感の現れであると考えられ、油断大敵といわんばかりに前向きに揃えた足でしっかりと床を踏みしめながら、しっぽの先まで神経をとがらせていることが多いです。
初めて出会う人や動物、物などに警戒し、隙を見せないようにできるだけ安全な姿勢を保っている状態といえるでしょう。
この座り方をしているときは、しっぽと併せて猫の表情をチェックすると不安や警戒の気持ちが見て取れます。
周囲の情報をキャッチするためにヒゲを広げ、小さな音も聞き逃すまいとイカ耳になっていたら警戒中のサインです。
そうでなければ、しっぽが濡れたり汚れたりするのが嫌で体に巻きつけていたり、寒さ対策としてマフラーのようにしっぽを体に巻きつけていることもありますよ。
つまり、この
【しっぽ巻き座りをしているときの気持ち】は、
・緊張・警戒している
・危険を感じている
・隙を見せたくない
・汚れたりぬれたりするのが嫌
・寒い
などが考えられます。
③香箱座り
伏せのような姿勢で、前脚と後脚を折り畳んで自分の体の下にしまい込む座り方は、猫らしさナンバーワンと言われる「香箱座り」です。
香箱とは、漆や陶器でできた香を入れるための蓋が付いた箱で、 茶道具や香道の道具の一つです。
香箱座りは、猫の体全体がきれいな長方形に見え、四角い香箱によく似ていることからこの名がつけられたのだとか。
ちなみに英語圏では、この姿が1斤の食パンにも似ていることから、香箱座りのことを「catloaf(1斤の猫パン)」と呼ぶそうですよ。
猫だけの座り方だと思われがちですが、犬やウサギ、ヤギ、ライオン、トラなど他の動物でもそう言うようです。
脚を体の下にしまい込んだままだと、すぐに動くことができないため、この時の気持ちは周囲を警戒せずに落ち着いていて、非常にリラックスしている状態だと考えられます。
猫がまったりしているときや、眠たいときによく見られるのではないでしょうか。
一方で、寒いときや体調が悪いときにすることでも知られていますので、いつも香箱座りをしない猫がする場合は、注意が必要です。
つまり、この
【香箱座りをしているときの気持ち】は、
・リラックスしている
・眠い
・寒い
・具合が悪い
などが考えられます。
④スフィンクス座り
下半身は香箱座りの姿勢のまま、上体をまっすぐ起こし、肘を床につけて前脚を前に突き出すような座り方を「スフィンクス座り」と言います。
凛と胸を張っているポーズが、エジプトにあるスフィンクス像を思わせることから名付けられました。
お腹を床につけているので比較的落ち着いている状態といえますが、何かあった時すぐに対応できるよう前脚を出しており、完全なオフモードではなくやや緊張気味といえます。
ただし、体格の良い猫や香箱座りができない猫が、お腹の下に前脚をしまうことが窮屈だという理由から、この座り方を好んでいる場合もあります。
つまり、この
【スフィンクス座りをしているときの気持ち】は、
・ややリラックスしている
もしくは
・やや緊張・警戒している
と考えられます
⑤横座り
横向きに寝転がって後ろ脚を伸ばす座り方を「横座り」といいます。
後ろ脚の力を抜いて横に流しているところが、人間の「女の子座り」や「お姉さん座り」に似ていますね。
野良猫やネコ科の野生動物にもよく見られる座り方なので、見かける機会は多いでしょう。
この横座りは、上体や前脚の状況によってリラックス度が変わります。
前脚をしっかり床につけたままダラッと伸ばし、下半身も力を抜いているなら、リラックス度がかなり高いです。
その座り方のまま、地面にペタッとなって寝てしまうこともよくあり、目を細めたり、伸ばした前脚の上に自分のあごを乗せ、ヒゲがゆるやかに垂れ下がるなど、眠そうな表情が見られるかもしれません。
しかし逆に、上体を少し立て、何かあったらすぐに動ける姿勢をキープしているなら、やや警戒している状態です。
このときは、目や耳でしっかり情報を拾っているような状況ではないでしょうか。
つまり、この
【横座りをしているときの気持ち】は、
・リラックスしている
・眠い
もしくは
・ややリラックスしている
と考えられます。
⑥スコ座り
通称「スコ座り」と呼ばれる座り方は、お尻を床につけて背中を丸め、後ろ脚を前方へ投げ出すような姿勢のことです。
スコティッシュフォールドによく見られる座り方なので、この名前がつきました。
お腹丸出しの姿が可愛らしいこの姿は、椅子やソファーにふんぞり返っているように見えることから、「おじさん座り」や「おっさん座り」などとも呼ばれています。
ちなみに、全てのスコティッシュフォールドがスコ座りをするわけではなく、他の猫種がすることもあります。
猫が急所であるお腹を見せるのは「信頼」や「安心」などの意味合いがあります。
また、すぐに体勢を変えられない座り方でもあるため、この座り方をしているときは警戒心がなくリラックスしている状態といえますよ。
脚を投げ出しているのも、急に動く必要がない、つまり危険がないという安心感の表れなのですね。
毛づくろいをしているときなどに、この座り方が見られやすいのではないでしょうか。
ただし、スコ座りに関してもリラックス以外の理由が隠れていることがあるので注意が必要です。
スコティッシュフォールドは遺伝的に関節の病気にかかりやすく、関節や体の一部が痛くて通常の座り方ができないためにこの座り方をすることがあるのです。
つまり、この
【スコ座りをしているときの気持ち】は、
・リラックスしている
・信頼している
・脚や関節に痛みを感じている
などが考えられます。
⑦ちょっとユニークな座り方
・体育座り
エジプト座りの状態で、やや前傾姿勢になり、膝を立てて座っている猫を見たことがあるでしょうか?
まるで、「体育座り」のような座り方です。
前脚をがばっと大きく開いていることもあり、そうなるとまるで「ヤンキー座り」のようですよ。
見ようによってはペンギンやお相撲さんのようにも見える、この体育座りは、猫好きの間ではレアでおもしろい座り方として知られています。
なぜこんな個性的な座り方をするのか、理由ははっきりしません。
グルーミングをしている途中で止めたところだったり、立とうとして止めたところだったり、体型的な理由だったり、ただ単にこの姿勢が落ち着くだけだったり、猫は猫で様々な事情があるのでしょう。
・うつ伏せのまま後ろ脚をピンと伸ばす
稀ですが、スフィンクス座りや香箱座りの姿勢で、後ろ脚を折り畳まず、後方にピンと伸ばして座る猫もいます。
後ろ脚は開いていたり、揃えていたり、クロスさせているパターンなどがありますね。
横座りと違うのは、後ろ足の肉球が天井側を向いていることです。
こちらも、なんでこんな座り方をするのかは明らかではありません。
後ろ脚をずっと折り畳んでいることに疲れて、伸びをしたくなったとか、脚を伸ばしたら楽なことに気づいてしまったとか、そんなことが考えられます。
まとめ・・・動画で観る
猫の座り方と気持ちの関係には、ある程度のパターンはありますが、くつろぐときのポーズは猫それぞれです。
香箱座りをしないからといって心を開いてくれていないというわけではありませんよ。
表情や仕草とあわせて、猫の気持ちを読み取る参考になれば幸いです。
また、具合が悪いときにはいち早く気がついてあげられるように、あなたの猫が普段どんな座り方で過ごしているのか、この機会に観察してみてくださいね。
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