日本猫(和猫)の特徴や歴史!毛色パターンや性格も

猫雑学
Young cat isolated on white background

日本猫と言えば、和室でポカポカ日向ぼっこをしている姿、
近所の公園で、おそるおそる警戒しつつ寄ってくる姿、
そんな猫を思い浮かべるのではないでしょうか。
私たちにとって身近なイメージのある日本猫は、今や海外でも注目されているようです。

今回は、私たちも知らないような日本猫の真実をご紹介します。
日本猫とは、一体どんな猫なのでしょうか?

日本猫とは

日本猫という言葉には、「日本古来の猫」と、「外来猫との混血種を含む、日本に生息している全ての猫」の2つの意味があります。
ちなみに、これを総称して「和猫」という場合もあります。

日本では、1950年代頃から洋猫の人気がふっとうし、シャムやアメリカンショートヘアなど、多くの洋猫が日本に持ち込まれました。
当時猫は現在のような完全室内飼いではなく、外に出して飼われることがほとんどであったため、このとき、洋猫と日本猫の混血が進んだのです。
そのため、現在の日本には日本古来の猫はほぼ存在しないと言われています。

ということは、現在「日本猫」と呼ばれている猫は、厳密には「日本猫の血を受け継いだ雑種」ということになり、猫の品種としても登録されていません。
しかし、自然交配によって、強い種だけが受け継がれているのですから、とても体が丈夫な猫とも言えますね。

日本猫の歴史

猫がいつから日本に生息していたのかは諸説ありますが、最近、長崎県壱岐市のカラカミ遺跡から猫の骨が発見されたそうです。
つまり、弥生時代には日本に猫がいたということになりますね。
そして現在のような日本猫が増えたのは、奈良時代に中国から仏教が伝わった時に、経典をかじられないように「ネズミ捕り」として猫も一緒に連れてこられたのが始まりという説もあります。

平安時代に入ると、ペットとして飼育されるようになり、その頃に描かれた屏風や絵巻物には、猫が家の中で紐に繋がれている様子が見られます。
江戸時代には、ネズミが増えたことから、「猫を放し飼いにすること」という指示が出たり、生類憐みの令が出されたときに「犬猫の放し飼い令」が出たりしたことがきっかけで、猫は放し飼いをされるようになりました。
商売繁盛や千客万来などの願いを込めた守り神「招き猫」が登場したのも、この時代ですので、江戸時代には猫は大切な存在として扱われたのでしょう。

日本猫の特徴

日本猫の標準的な体の特徴は、丸い顔、丸い目、鼻筋は通っていて広く、口は短い。
そして太い手足、柔らかい短毛、ほどよい体格だと言われています。
長毛の洋猫と交配した猫の子孫などは例外ですが、大半がこのような見た目をしているのではないでしょうか。
また、日本猫はしっぽが短いとイメージされることも多いですが、しっぽが長い猫もいます。

日本猫のしっぽの種類

日本猫のしっぽの形は、主に3つのパターンが見られますが、実は、住んでいる地域によっても特色があるとか。
では、どんなしっぽの種類があるのでしょうか?

①短いしっぽ(ボブテイル)

根元を残してちょん切ったような、短いしっぽ。
江戸時代は、特にこのしっぽが多かったようです。
その理由は、当時しっぽの長い猫は年を重ねると「猫又」という妖怪になってしまう伝説から、恐れられていました。
他にも、しっぽに火鉢の火が引火し火事が起こったから、長いしっぽが蛇を連想させるから、など諸々の理由により、しっぽの短い猫を意識的に繁殖させていたそうです。

そのような都市伝説は時代とともに風化し、短いしっぽの猫を好む傾向は薄れていきましたが、現代において、欧米ではこのポンポンのようなくるんと丸まったしっぽが珍しく、1960年代にアメリカに持ち出されて繁殖され、「ジャパニーズボブテイル」という名前で猫種として認定されました。

②かぎしっぽ(キンクドテイル)

しっぽの先が鍵のように曲がったかぎしっぽは、幸運をひっかけるという意味で縁起が良いと言われます。
実は、長崎県にいる猫は、8割がかぎしっぽで、他の地域より多いそうです。
それは、もともと東南アジアに多くいたかぎしっぽ猫が、江戸時代の鎖国中に唯一貿易をしていた長崎に持ち込まれ、増えたという説が有力です。

③長いしっぽ(フルテイル)

一般的によく見られる、25~30㎝ほどの、まっすぐで長いしっぽ。
日本では「長尾」とも呼ばれ、京都や滋賀・福井に多いそうです。
それは、平安時代に都があった京都に、中国からたくさんのしっぽの長い猫が連れてこられ、鯖街道で繋がる滋賀や福井にも運ばれたと推測されます。

しかし一説には、しっぽは東へ行くほど細長く、西へ行くほど短く折れ曲がっているとも言われています。
京都や滋賀以外の関西では、短いしっぽの猫も多いようです。

日本猫の毛色の種類

日本猫の毛色は、種類が豊富です。
その中でも、「ザ・日本猫」といった代表的なものをご紹介します。

①白猫

全身白一色の白猫。
目の色はブルーやゴールド、左右の目の色が違うオッドアイも比較的多いです。
その真っ白な色は、優雅さと気品を感じさせる容姿ですが、自然界では白い毛色が目立つため、外敵に襲われやすいという難点もあります。
そのため、性格は神経質で、警戒心が強い傾向がありますが、その分心を許したときに見せるしぐさは、格別に愛らしいでしょう。

②黒猫

黒猫の中には、胸元など一部に白毛が混ざる猫と、全身真っ黒なカラス猫がいます。
黒い毛に黄色の目が目立ち、ミステリアスな風貌をしていますが、性格は穏やかで、人懐っこい傾向です。
協調性があるため、他の猫とも仲良くなりやすいのだとか。

③三毛猫

文字通り、3色の毛色を持つ三毛猫。
黒・白・赤茶(オレンジ)の毛色がまだらに入っています。
素朴で温かな見た目が、「ザ・日本猫」といった印象ですね。
遺伝子の関係で大半がメスで、お姫様気質の性格を持ちます。
また、子を守る母性本能が強いため、自立心が高く、勝ち気な傾向が見られるのだとか。

④サビ猫

赤と黒のモザイク模様の毛を持つサビ猫は、「べっ甲猫」とも呼ばれます。
色の割合や混じり方に個体差があり、芸術的な柄をしていますね。
三毛猫と同じくほとんどがメスですが、三毛猫よりも控えめで大人しく、気立てが良いと言われます。

⑤トラ猫

トラのようなしま模様を持つ猫です。

色は多種多様ですが、一般的によく見られるのが、こげ茶色ベースに黒のしま模様の、「キジトラ」でしょう。
日本に最も数が多いと言われる柄であり、自然の中で保護色となり、野生猫の元祖の柄でもあります。
性格も、野性的で用心深く、賢いと言われます。

そして、オレンジがかった明るい茶色ベースに濃い茶色のしま模様の「茶トラ」は、オスが多く大らかで甘えん坊な性格だとか。

他にも、キジトラと茶トラの柄がパッチワークのように混ざった「麦わら猫」や、日本のキジトラとアメリカンショートヘアなどの洋猫が混ざって増えた「サバトラ猫」もトラ猫の一種です。

⑥ブチ猫

白に、黒やトラ柄などが入っている、二色の猫をブチ猫と言います。
白に黒なら「白黒猫」、白にキジトラ柄なら「キジ白猫」など、入っている色柄によっても呼び方が変わります。
また、白い部分が多いと「トビ柄」と言ったり、さらに、額から八の字のように割れている模様を「ハチワレ」と呼ぶなど、色の入り方にも様々なパターンがあります。
性格については、入っている色柄によって様々ですが、基本的にはフレンドリーな性格の子が多いです。

日本猫の性格

日本猫(和猫)は、毛色の種類が豊富で、洋猫の血が入っている場合もあるため、性格も様々です。
一般的には、人当たりが良く穏やか。
自立心が強いですが、慣れた人にはよく懐き従順なため、そのツンデレさも魅力なのでしょう。
さらにはしっぽにまで様々な歴史が隠されているという、そんな素敵な日本猫を、ぜひ動画でご覧ください。

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