サビ猫が愛される11の理由

猫の毛柄の種類

黒と茶(オレンジ)色が不規則に混ざりあったまだら模様が特徴のサビ猫。
その色合いが錆に似ていることから、「サビ猫」と呼ばれています。
汚い柄と言われることもあり、「雑巾猫」という失礼な呼び名まであるのだとか。
そのためか、里親が見つかりにくいとも言われます。

そんなサビ猫ですが、実は一度飼ってしまうと誰もがメロメロにはまってしまうという、たくさんの魅力があるのです。

サビ猫の魅力 11選

①美しい呼び名もある

海外ではサビ猫を「トーティシェル(tortoiseshell)」と呼びます。
日本語にすると「べっ甲」です。

ヨーロッパなど、国によってはサビ猫は珍しく、毛が光で照らされた時の美しい輝きが、亀の甲羅のべっ甲を連想させるためこの呼び名になりました。
17世紀のヨーロッパでは、べっ甲が美しいともてはやされ、人気を博していたのです。
宝石から家具までさまざまな物に、べっ甲が使用されていたそうですよ。

つまり、そんな美しい「べっ甲」の名を猫につけるということは、ヨーロッパで猫のサビ柄は、とても美しい柄と認識されていたことが分かりますね。

このことから、日本でも「べっ甲猫」と呼ばれることもあります。

②様々な品種が存在する

サビ猫は毛色に対しての呼び名で、猫の種類のことではありません。
そして、日本では基本的に雑種猫に多い柄になります。

しかし、欧米でも熱狂的なファンがいるため、サビ柄がいる血統猫も存在します。

ブリティッシュ・ショートヘア、アメリカン・ショートヘア、メイン・クーン、ペルシャ、スコティッシュ・フォールド、ラガマフィンなどがそうです。
長毛・短毛の両方で見られますよ。

③三毛猫との違い

サビ猫は、三毛猫の一種といわれることもあります。

ただし、三毛猫は黒・茶(オレンジ)・白の三色の毛色を持つのに対して、サビ猫は黒と茶(オレンジ)のみの二色です。
そのため、サビ猫は「二毛猫」と呼ばれることもあります。

とはいえ実際には、サビ猫のように見えても目立たない程度に白い毛があることもありますので、三毛猫との境界は曖昧かもしれませんね。

④ほとんどがメス

遺伝子上、三毛猫にオスがほとんど生まれないというのは有名な話ですね。
サビ猫もそれと同じ理屈で、ほとんどがメス猫です。

実はオスの猫に、黒と茶色(オレンジ)の毛色が同時に現れる確率はとても低いのです。
そのため、サビ猫やミケ猫にはメスが多いのですね。
オスが生まれる確率は、なんと3万分の1と言われ、とても希少なのだとか。
そのメカニズムについては、こちらの記事でも説明していますよ。

ちなみに、稀に染色体異常による突然変異でオスが生まれることもありますが、ほとんどが生殖能力がないそうです。

そして、人間と同じように、猫もオスは凛々しい顔立ちをしており、メスはクリッとした丸い目をしていると言われます。
つまり、ほとんどがメスであるサビ猫は、愛嬌のある可愛い顔をしていることが多いようです。

⑤色や模様のつき方は様々

サビ猫は主に、黒、茶の2色の毛色を持っていますが、一口にサビ猫と言っても、色の割合や濃淡、混ざり具合は個体によって異なり、様々な毛色パターンがあるのです。

まず、黒い部分が多いと「黒サビ猫」、茶色の部分が多いと「赤サビ猫」と呼びます。
ちなみにここでいう茶色とは、専門的には「赤」と言われ、オレンジ色に近い茶トラの茶色のことですね。

また、全体的に色が薄く、黒と茶ではなく灰色とクリーム色になっているサビ猫もいます。
この場合、「灰サビ猫」や「パステルサビ猫」と呼びます。
これは、サビ猫にダイリュート遺伝子という毛色を薄くする遺伝子が入ることで、このような色になっているのです。

また、しま模様が多いと「しまサビ」という呼び方もあります。

キジトラ柄と茶トラ柄が混ざった模様をしている「麦わら猫」と間違えそうになりますが、耳の縁に黒などの色がついているのがサビ猫の特徴です。耳の縁が白っぽければ麦わら猫になります。
ややこしいですね?

そして時には、「ブレイズ」といわれる顔のセンターで黒と茶が分かれることもあります。
きれいに色が二分されたブレイズの猫は、左側から見たときと右側から見たときで、まったく印象が異なるところが不思議でミステリアスな感じです。
それから頭と体で色や柄が全然違うこともあります。
このように、顔や体の半分で柄が分かれ、2つの異なる猫が半分ずつ組み合わさったような外見を持っている場合、「キメラ」と呼ばれることもありますよ。

サビ猫には本当にいろんな模様があって、オシャレな柄だと思いませんか?

⑥奥ゆかしく気立ての良い性格

猫の性格は個体差や育った環境によって変わることもあるため、一概には言えませんが、サビ猫の性格にはある傾向が見られると言われます。
それは、多くの毛色の猫の中でもサビ猫は、飼い主の表情や行動などを観察し空気を読み、ナンバーワンに賢いということです。

何より他の猫と違うのが、奥ゆかしさを持ち合わせているということでしょう。
サビ猫はほとんどがメス猫ですので、そもそも母性本能が強く愛情豊かで、メスっぽい性格ではあるのですが、サビ猫同様にメスが多い三毛猫と比べても、温和で優しい傾向にあります。
我先にといったタイプではなく、周りの様子もうかがう協調性を持っており、他の猫となじみやすいことから、多頭飼いにも向いている猫といわれますよ。
しかし、協調性があるからこそストレスをためやすい一面もあるので、飼い主がしっかりと気遣ってあげましょうね。

では、サビ猫がこのような性格になった理由とは何なのでしょうか?

サビ猫はその暗めの柄ゆえか、じつは捨て猫や野良猫出身の子が少なくありません。
そうした人気の低さからか、人への愛想やアピール術、生き抜くための洞察力や知恵などが必要だったのではないかと推測されています。
逆に、見た目で愛されやすい三毛猫は、愛嬌を振りまく必要がなく、ツンとしていると言われますね。
また、サビ猫は貰い手の見つかりにくさから、子猫時代に母猫と過ごす時間が長いため、社会性などが身につくのではといった見方もあるそうです。

このように、サビ猫はつき合いやすく飼いやすい猫ですが、その賢さゆえの警戒心から、最初は慣れるまで時間がかかることもあります。
人間に対してもいきなり友好的にはなりにくく、仲良くなるまでに時間はかかるものの、一度信頼関係さえ築ければ甘えん坊な一面が見られます。
頭が良いため、飼い主に甘えるのもとても上手なのです。
とはいえ空気を読むため、他の子がいるとなかなか甘えられなかったり、陰ながらヤキモチを妬いたりしている場合もありますよ。
実は寂しがり屋で、スキンシップも遊ぶのも大好きなので、一緒の時間を作ってあげましょう。

⑦サビ猫の日がある

月末の31日は、31で「サビ」なので、「サビ猫の日」と言われています。
この日は、SNSなどでもお祝いの投稿が目立ちますよ。
サビ猫を飼っている方や好きな方ならご存知かもしれませんね。

中には3月1日をサビ猫の日としている方もいるようですが、どちらも3と1のつく日なので、知らなかった方も次の31日の日には、ぜひお祝いしてみましょう。

⑧体が頑丈

サビ猫は、野良猫出身の雑種猫が多いこともあり、体が丈夫と言われます。
雑種の猫は、病気になりにくく風邪を引いても治りやすい丈夫な子が多いのです。
さらに、野良猫出身の子は外でたくましく生まれ育つために丈夫にできています。

ちなみにギネスに登録されている「現存する最も長寿な猫」は、イギリスに住むサビ猫の「フロッシー」で、現在27歳だそうです。
そして、まだギネスには登録されていませんが、さらに年上の現在32歳の「ロージー」という猫もイギリスにいるそうで、その猫もまたサビ猫です。

⑨様々な伝説がある

サビ猫には、時代を超えたさまざまな伝説が世界中にあります。

まずはアジアから紹介しましょう。
カンボジアのアジア最古の民族といわれるクメール族は、サビ猫が蓮の花から生まれた古代の女神の子孫と信じていて、とても美しい猫と慕っているそうです。
その他のアジア地域でも、サビ猫は幽霊から船を守る能力を持つと考えられ、サビ猫を船に乗せると海でさまよう霊から守られると信じられていたとか。

また、ヨーロッパに移ると、イギリスではサビ猫のしっぽをこすることでイボを取ることができるとされているそうですよ。

⑩有名な作家に愛された

世界初の推理小説家、「エドガー・アラン・ポー」をご存知でしょうか?
日本の作家、「江戸川乱歩」のペンネームの由来となったことで有名ですね。
実は彼、無類のサビ猫好きだったそうです。
彼の愛猫であったサビ猫の「カタリナ」は、長い間彼のそばにいましたが、1849年にポーが亡くなると、カタリナも間もなく亡くなったと言われています。
カタリナとポーは深い絆を持っており、彼女の名前がポーの最も有名な作品である「黒猫」や「本能と理性」の一部にも影響を与えたと言われています。
現在でも彼の地元にあるポー博物館において、カタリナの名前を冠した子猫が引き続き暮らしており、その名前は「カタリナ2世」です。
カタリナ2世は、兄弟たち(エドガーとプルート)とともに暮らしており、ポー博物館を訪れる人々にポーとの絆を思い出させています。

⑪幸運を呼ぶ

サビ猫は「福猫」と呼ばれる三毛猫の一種でもあることから、幸運を呼ぶ猫といわれています。
それぞれの毛色に意味があり、黒は「厄除け」、茶は「繁栄」といった幸運のシンボルとなっているそうです。
そして、希少度の高いオスのサビ猫は、さらに幸運な存在とされているようですよ。

また、サビ猫の性格から、人の心を読んでしまう透視能力があるという説もあり、心が沈んでいるときや体が弱っているときにサビ猫が寄り添ってくれたという飼い主さんの声もよく聞かれます。

そのような理由からかどうかは分かりませんが、アイルランドやスコットランドでも、サビ猫は「幸運をもたらす猫」として愛されているそうです。

まとめ

サビ猫は一見、暗くて地味な印象を持つかもしれませんが、とても優しく協調性があり、また賢く空気を読むことができるため、飼いやすい猫の代表といわれることもあります。

そんなサビ猫の魅力を、動画?でご覧ください!

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